2014年02月21日

タブレット端末は子どもの育ちに影響しない???

2月15日(土)福岡市のFFGホール(福岡銀行本店)で“読書推進フォーラム”が開かれました。女優“真野あずさ”さんの朗読、「子どもの頃の読書は成人の現在にどう影響するか」の調査研究報告、最後に作家・五木寛之さんの講演がありました。以下は、その聴講から私見を交えてまとめました。

調査研究では『子どもの頃に読書活動が多い成人ほど「未来志向」「社会性」「自己肯定」「意欲・関心」「文化的作法・教養」「市民性」のすべてにおいて、現在の意識・能力が高い。特に、就学前から小学校低学年までの読書活動と、成人の「文化的作法・教養」との関係が強い。子どもの頃の読書活動と体験活動の両方が多い成人ほど、現在の意識・能力が高い。』ことが報告されました。このことからも、小さい時から読み聞かせや・絵本などに接してきた子どもほど、自然体験や社会体験活動にも前向きに取り組み“生きる力”を培ってきています。そのことが成人になってからも、文化的・経済的に有意な市民を生みだしていることが伺えると思います。

五木さんは「物語の力」のテーマで話されましたが、ソチオリンピックからフィギュアの羽生選手をモデルに、彼はプロポーションも抜群で外国人選手に比べても遜色はないが、それだけではなく彼の出身が被災地仙台であり、喘息の持病を克服しながら今リンクに立っている、その背景・全体的な「物語」がさらに彼の金メダルの価値を大きくしている、これは「物語の力」でしょう。

日本人の識字率の高さは江戸時代の“寺子屋”が原点ですが、文字活字を読むことはその情報から「絵」にすること(翻訳)が求められます。その作業の中で私たちの「想像力」や「創造力」が培われ「物語の力」を得ることができます。テレビやIT機器は、一方的に多くの情報を与えますが、そこから人間として必要な「創造力」や「想像力」が培われることは限定的になるではないかと思っています。

近頃、とても信じられないような凶悪事件が頻発していますが、これも「物語性の欠如」から来ていると思います。今、自分がこの行動をとればその結果どうなるかが想像できない、さらに、そのことで家族や周辺の人たちがどのような状況になるか、その「物語」を構成することもできない、そのような日本人が今増えているのではないでしょうか。

生活の便利さが、少なからず子どもの発達に影響を及ぼしていると思います。読書離れや実体験不足が、他人を思いやる気持ちや、自分は大切にされているという気持ち(自尊感情)が育たない環境をつくり、数字で見えるものだけを評価し、経済がすべての至上主義を生みだしているように思います。

政治や政府関連組織のトップに人格・品性を疑いたくなる言動が目立ちます。TPOをわきまえない・言っていいこと悪いこと、想像力&創造力をどのように培ってきたのでしょうか? 

もう一度、“文字活字文化”の原点に立ち戻り、読み聞かせや絵本など地域の読書活動から、人間としての基礎力を子ども時代に大きく育てる、そのような感性豊かな日本人再生プログラムも必要ではないか!読書推進フォーラムを聴講しながら強く感じたことです。

デジタル・デトックス(解毒)という言葉があるそうですが、パソコンやスマホから避難して心身を解毒する?そのような時代に日本も入っているのでしょうか。

来年度から武雄市教委は、小学一年生からのタブレット端末を無償で支給するようですが、その便利なIT機器が子どもたちの学習意欲を喚起し、バランス良く五感を育てることにつながるのでしょうか?

2歳児がスマホで母親と遊んでいる?そのようなテレビ報道を聞くと、アナログ世代でデジタルのことは殆ど分からないだけに、子どもたちの発達・子どもたちの未来がとても心配になります。

井上一夫(20140221)

読書推進フォーラム.pdf
posted by 市民の会 at 16:58 | Comment(0) | その他
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